ご飯(米)に甘みがある理由

2018年9月4日

お米に甘みがある理由イラスト

米は、日本で古くから栽培されてきた穀物で、炊いて食べる「ご飯」は色々なおかずと相性抜群です。

淡泊な味の白米は、和食はもちろん、洋食にも中華にもぴったりです。しかし、あっさりしたご飯にも味はあり、ほのかな甘みをは多いですよね。

この記事では、ご飯(米)甘味がある理由や、甘味の成分を紹介します。

ご飯(米)の甘み成分は?

ご飯を食べて甘く感じる成分は、主にマルトース(麦芽糖/ばくがとう)という糖類です。

米に含まれるデンプンが、唾液中の消化酵素で分解されることで生じます

 

さらに詳しく見ていきましょう。

 

お米の主成分はデンプン

米は、およそ80%がデンプンでできています。

デンプンは、グルコース(ブドウ糖)からなる高分子(大きな分子)です。

つまり「グルコース(ブドウ糖)がたくさん繋がってできた長い鎖」がデンプンです。

このデンプン自体には、甘さがありません。

 

デンプンを分解する消化酵素「アミラーゼ」

私たちが摂取したデンプンは、アミラーゼという消化酵素により分解されます。

アミラーゼは、ヒトでは唾液と膵液に含まれています。

 

デンプンは、グルコース(ブドウ糖)が繋がった長い鎖でしたね。

唾液に含まれるアミラーゼは、そのグルコース同士の繋ぎ目(結合)を、適当な場所で切断します。

すると、デンプンよりもずっと短い断片(オリゴ糖)ができます。このような反応をデンプンの「糖化」と呼びます。

 

ただし、この糖化はゆっくりと起こるため、口の中ではデンプンのごく一部しか分解されません。

口の中で起こるデンプンの糖化イラスト

 

ご飯の甘み成分「マルトース(麦芽糖)」

グルコースが2つ、3つ、4つ・・・などいろいろな長さのオリゴ糖ができるのですが、短いものはある程度の甘みを持っています。

グルコース2つからなる糖が、マルトース(麦芽糖)です。これが主要なご飯の甘み成分となります。

 

マルトースは砂糖の成分であるスクロースの、3分の1ほどの甘みを持った糖です。

ご飯を噛んでいたら少しずつマルトースができるために、ほのかな甘みを感じるのですね。

 

(マルトースの一部はアミラーゼによりさらに分解され、単糖であるグルコースとなります。)

ココがポイント

お米の甘み成分は、ご飯を噛んだ時にデンプンが直ちに分解されてできた「糖」

 

お米の甘みと水飴の成分は同じ

ご飯の甘みをもたらすマルトースは、水飴の主成分でもあります。

実際に水飴も、デンプンを消化酵素や酸で糖化して作られています。

マルトース(麦芽糖)を中心とした、グルコースやオリゴ糖の混合物が、水飴の正体です。

 

お米の甘みと水飴の成分が同じとは、どおりでご飯に甘みがあるわけですね。

 

お米の甘みを引き出す方法

次に、よりご飯の甘みを引き出す方法を見てみましょう。

 

塩で甘みを引き出す

お米を炊く前に少しだけ塩を加えておくと、お米の甘みが引き立つご飯が炊けます。

これは、味覚の「対比効果」によるものです。

塩味と甘味を同時に味わうと、より甘さが引き立つ現象です。

お汁粉やスイカが、塩によって甘さが引き立つのと同じですね。

 

米2合に対してひとつまみ程度、塩を加えてから炊いてみましょう。

 

よく噛む

ご飯の甘みは、唾液の消化酵素によりデンプンが分解されてできたマルトースによるものでした。

ですから、よく噛むことでしっかりとご飯の甘さが感じられるようになります。

 

また、よく噛むことはお米の甘味を引き出すだけでなく、消化をよくして胃腸の働きを助けます。

一石二鳥ですね。ご飯はよく噛んで食べましょう。

-料理・食品の科学

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