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きまぐれクックに登場する血合い用ブラシ「ささら」をレビュー

2019年12月30日

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魚をさばいて血合いを落とす時に便利なブラシ「ささら」をレビューします。

YouTuberの『きまぐれクック』かねこさんが使われている製品です。

私も実際に使ってみたところ、適度な固さで使いやすく、血合いがきれいに取れました。

ポリプロピレン製で、耐久性やメンテナンス性が高いこともメリットです。

『きまぐれクック』かねこさん愛用のブラシ「ささら」

YouTuberの『きまぐれクック』かねこさんも、動画中で紹介・利用されているささら(魚の血合い用ブラシ)がこちらです。


早川工業製で「PP魚の内臓取り ササラ」という商品名で売られています。PPとは、材質のポリプロピレンを指します。

きまぐれクックのかねこさんは他に、このVikan(ヴァイカン)のブラシも血合い用に使用されています。デンマークに本社を置く老舗のグローバル企業の製品です。

きまぐれクックにささらが初登場した動画

かねこさんが初めてささらを紹介した動画です。タップ/クリックすると、ささらの紹介シーンから再生されます。

使い勝手は?実際に魚を捌いてささらをレビュー

はじめに「PP魚の内臓取り ササラ」の特徴をまとめます。

「PP魚の内臓取り ササラ」の特徴
樹脂製で衛生的
  • 竹製に比べて臭いが染み込みにくい
  • 乾きやすくカビなどが繁殖しにくい
血合いをよく落とせる
  • 素材に適度なコシがある
  • ブラシ素材の断面が十字型で血合いをからめとる
  • 角度やにぎる本数の調整で中~大型魚に対応可能
デメリット
  • ブラシ素材に汚れ(魚の組織)がからみ落とすのに手間取る
  • アジなどの小型魚には大きすぎるかも
  • 人によっては長すぎると感じることも

購入した「PP魚の内臓取り ササラ」

竹などの素材で作られる日本古来の道具「ささら」ですが、こちらはポリプロピレン製。伝統的な道具の「現代版」といったところです。「トーカロン」という素材の名前が書かれています。

PP魚の内臓取りササラ

全長19センチ。ステンレス製の針金で3箇所束ねられています。針金で束ねた部分の直径は約23mm。フックなどに掛けるひもはタコ糸製です。

ささらのブラシ先端拡大画像

ブラシ部分の一本一本が独特な形です。断面が十字型(「+」の形)をしています。血合いや汚れを落とす時に、しっかりと引っかかります。

ただし、使用後は魚の組織(腹膜など)がからんで、落とすのに少し手間取りました。汚れを掻き出す力が強いことの裏返しなので、このデメリットはしょうがないかもしれません。

「PP魚の内臓取りササラ」で血合いを取ってみた

実際に魚をさばいて、ささらで魚の血合いを取ってみます。この先、血合いの画像があるので、苦手な人はご注意ください。

ブリをさばいていく

40センチちょっとのブリの幼魚(天然)です。このサイズなら、イナダ、ツバス、ヤズなど、地域により様々な呼び方があります。

寒ブリという言葉があるように「ブリは冬が旬」とは有名ですが、それは大きく育ち出世した「ブリ」の話。40cmくらいまでのサイズは、夏が旬1)とされています。ハマチは夏~初秋が旬の魚です。

魚の血合いを取る前

頭を落として内臓を取ると、血合いが見えます。血合いの膜に切れ目を入れ、今回の主役ささらを使って洗います。

ささらで血合いを取った後

血合いがかなりキレイに落ちました。ブラシ一本一本のコシが強く、とても使いやすいです。

太めで使いにくそうに見えるかもしれませんが、必要な本数だけ束ねて持ったり、斜めに持ったりすることで、中~大型魚まで広いサイズの魚に対応できます。

アジなどの小型魚に限っては、製品が大きすぎるため使いにくさもあります。特に、頭を落とさずお腹だけ開く場合などでは、歯ブラシに近い形のものが適するでしょう。

普通の歯ブラシを代用(かためがおすすめ)するほか、Vikan(ヴァイカン)の「ディテールブラシ」もよい選択肢です。

洗いやすく衛生的なPP製ささら

ポリプロピレン製なら、従来の竹製のささらより衛生的です。

竹製のささらに汚れや水分が残っていると、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。ポリプロピレン製なら、汚れや水分が落ちやすく衛生的です。

耐熱温度は、この商品には記載がありません。

一般的には、ポリプロピレンの耐熱温度は120℃程度です。ただし、100℃あたりでは軟化して形崩れしやすくなります。熱湯消毒したい人は、どうぞ自己責任で……。

ひどい汚れには漂白剤も使えます。ハイターだと素材表面が不透明にくすむこともあり、「過炭酸ナトリウム」という酸素系漂白剤がおすすめです。

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ただし、魚の臭いを落とすには、漂白剤よりもクエン酸が効果的な場合が多いです。

魚の臭いは「クエン酸」で落とす【科学的解説】

洗剤で洗っても落ちにくい魚の臭い。落とすには化学反応を利用します。クエン酸を使いましょう。

魚の生臭さの成分は、トリメチルアミンなどの様々な「アミン」類が中心です。

アミンが水に溶けず表面に付着していたり、素材に染み込んでいたりすると、洗っても残る魚臭さの原因となります。

一口にアミンといっても、様々な種類があり、揮発性や水溶性も様々。しかし、アルカリ性はアミン類に共通した特徴です。

そこで、酸とアルカリの反応性を利用しましょう。アルカリ性のアミンを、クエン酸と反応(中和)させます。

反応すると「アミンクエン酸塩」となり、水溶性が増します。溶けやすくして、水に流せばよいのです。

魚臭さをクエン酸で落とす

今回も、ブラシに付いた魚の臭いがスッキリ落ちました。

使い方は簡単で、クエン酸を溶かした水に浸けておくだけです。

できれば「40~50℃くらいのお湯使用&食器用洗剤を数滴プラス」で、臭い成分が溶けやすくなります。これには、クエン酸が速やかに溶けるメリットもあります。

クエン酸の量は適当ですが、除菌効果も軽く期待し、写真の容器に大さじ1杯強入れました。100均のクエン酸だと、1袋の10分の1くらいでしょうか。

ささらだけでなく、まな板やウロコ落としなど、魚を捌く時に使ういろいろなアイテムにも応用できます。ただし、包丁は例外で、錆びるのでやめましょう。

クエン酸は、100均などでも売られているほか、通販でも購入できます。

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PP製ささらは使いやすく衛生的!魚の血合いにおすすめ

ポリプロピレン製のささらを紹介しました。とても使いやすく、魚の血合いに使っても衛生的で、おすすめのブラシです。

何より、きまぐれクックのかねこさんが使っているという事実から、私のレビューの何倍も信頼できるはずです。

魚を捌く人は、ぜひ使ってみてください。

今回のおすすめ本と参照文献

今回のおすすめ本は、成瀬宇平著「魚料理のサイエンス」。40種以上の魚介について、種ごとに数ページを割いて説明がなされています。

書名に「サイエンス」とあるとおり、各魚介のおいしさへ科学的にせまる内容が中心です。それだけでなく、学識豊かな著者により、古今東西での食され方、生態や漁獲状況などの広いトピックが紹介されています。

魚をさばきつつ、その魚種の知識も深めてはいかがでしょうか。2013年に文庫化された本ですが、すでに絶版のようですので、購入はお早めに。

成瀬宇平(著)|新潮文庫(2013)
参照文献
  1. 成瀬宇平, 「魚料理のサイエンス」, 新潮社, (2013).

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