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大根のつまを作る機械「回転つまきり君」を詳しくレビュー

大根のつまを作る機械「回転つまきり君」をレビュー

刺身の盛り付けに使う大根のつま(けん)は、専用の機械があれば、誰でも簡単に均一な細さで作れます。

この記事では、手動でハンドルを回して大根のつまを作れる「回転つまきり君」を詳しくレビューします。業務用としてはもちろん、自宅で刺身のつまを作る場合にもおすすめの、お手軽なツマカッターです。

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大根のつま用の機械「回転つまきり君」を紹介

回転つまきり君」は、千葉県船橋市にある千葉工業所が製造している、つま切り用の手動の調理機器です。

回転つまきり君 (ツマカッター)千葉工業所
回転つまきり君 (ツマカッター) 千葉工業所
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軽くてコンパクトな本体で、広いスペースがなくとも取り扱えます。
回転つまきり君は、本体が淡い黄色の樹脂をベースにできており、コンパクトな作り。本体のサイズは幅27.3cm×奥行き11.5cm×高さ16.0cm、本体重量は刃をセットした状態で770gです(いずれも筆者が測定)。

製造元の千葉工業所による動画です。2つの製品が登場しますが、黄色い本体の製品が「回転つまきり君」です(白い本体の製品はワンランク上の価格帯の「つまきり君 手動タイプ」)。

購入した回転つまきり君を開封

購入した回転つまきり君を開封していきます。

回転つまきり君の外箱。箱のサイズは幅27.9cm×奥行き12.7cm×高さ17.2cm(筆者測定)。
回転つまきり君の外箱
箱の裏面には、使用方法などが記載されています。
回転つまきり君の外箱の裏面には、簡単な使用方法が記載されている。
箱を開封した様子。コンパクトに収納されています。
回転つまきり君の箱を空けると、内容物がコンパクトに収納されている。

箱から取り出して広げた写真です。
回転つまきり君には本体の他に、交換用のくし刃、刃の部分のカバー、洗浄用のブラシ、説明書が付属。回転つまきり君本体のほか、2.5mmと4mm間隔のくし刃、刃の部分にかぶせるカバー、清掃用のブラシ、説明書などが入っています。つまきりに必要な1mm間隔のくし刃と平刃は、最初から本体にセットされています。

回転つまきり君の構造・機械の仕組み

実際に野菜を切る前に、回転つまきり君がどのような仕組みの機械なのか解説します。

大根などが細切りになる仕組み

回転つまきり君には、「くし刃」と「平刃」の2種類の刃がついています。くし刃とは、たくさんの小さな刃が等間隔に並んだ刃のことです。

左の金属板が平刃、右のギザギザした刃がくし刃(写真では1mm間隔のくし刃をセット)。
回転つまきり君には、1mmなど等間隔で並んだくし刃と、スライスするための平刃がついている。

野菜をセットしてハンドルを回した際、この2種類の刃が一緒に働くことで、大根のつま(けん)のような細切りやせん切りができます。
ハンドル回転に伴い、野菜にくし刃で等間隔に浅い切れ目が入った後、平刃でスライスされることで、大根のつまのような細切りになる。大根などの野菜は手動のハンドルに伴って回り、先端側からカットされます。最初にくし刃で等間隔に切れ目が浅く入った後、切れ目と直角に平刃で薄くスライスされ、細切りになる仕組みです。

くし刃を外して平刃のみで使えば、キュウリやニンジンなどのリボン切り、タマネギのスライスもできます。

ハンドルを回すと野菜がスライドする仕組み

カットすると野菜は短くなっていくため、その分だけ野菜を刃の側へと送り出す仕組みも必要です。

ハンドルのついたスライドする可動部分(スライドユニット)は、普段は軽い力で、自由に左右へとスライドします。
スライドユニットは、送りレバーを握っていない状態では自由に左右へスライドする。

「送りレバー」という部分を握るとスライドユニットは固定され、自由には動かなくなります。野菜をセットした後にレバーを握ると、野菜が固定されます。
送りレバーを左手で握ると、スライドが固定され、自由には動かなくなる。

送りレバーを握ると固定されるのは、スライドユニット奥側にある歯車が、レール状の白くて長い部品と噛み合うようになるためです。
送りレバーを握るとスライドユニット奥側の歯車が噛み合う。ハンドルを回すのに応じて少しずつスライドユニットがスライドし、野菜が押し出されていく。この歯車は、手で回すハンドルに連動して回転します。ハンドルを回して野菜を切っていくと同時に、歯車によってスライドユニットが移動し、野菜が刃の側へと送り出されていく仕組みです。

実際に野菜を切って使い方や仕上がりをレビュー!

大根、ニンジン、キュウリを用意して、実際に回転つまきり君でカットしてみました。使い方や使い勝手、野菜の仕上がりなどをレビューします。

回転つまきり君の使い方は追って説明しますが、刃の部分に触れて怪我をしないように注意してください。

大根のつま(けん)を作る【1mmくし刃】

大根のつま(けん)を作る手順
  1. 大根を12cm程度にカットし、ピーラーなどで皮をむく。1周でつまが切れるように、縦に1本だけ切れ込みを入れる(詳しくは後述)。
  2. 1mmのくし刃をセットした回転つまきり君に、大根をセットする。
  3. 送りレバーを握りながら、ハンドルを回す。
  4. できあがった大根のつまを5~10分ほど水にさらしてから、水気を切って完成。

刺身用に大根のつまを作る場合は、最も細く仕上がる1mmのくし刃を使用します。

大根は、12cm前後の長さに包丁で切ってから、皮をむいておきます。そして、つまの長さが適度になる(回転1周で勝手に切れる)ように、縦に1本切れ目を入れておくとよいです。

皮をむいて、縦に切れ込みを入れた大根。
大根は12cm程度に切って皮をむき、縦に1本切れ目を入れる。
大根に切れ込みを入れる理由。
大根へ外側から中心まで縦に1本切れ目を入れておくことで、適度な長さのつまができる。
セットする際は、まず大根を円筒状の金属部品の方へ押しつけて差し込み(①)、次にハンドル側を押しつけて白いトゲトゲの部品を大根に食い込ませます(②)。なるべく大根の中心に回転軸がくるように取り付けましょう。
大根などの野菜は、まず円筒状の金属部品に野菜を差し込み、次にハンドル側をスライドさせて固定します。

大根をセットしたら、送りレバーを左手で握りながら、右手でハンドルを回していきます。中心の軸を残して、大根がつまになって出てきます。
ハンドルを回すと、機械の外側(左側)へと、どんどんつまが出てきます。たくさんつまが出てくるので、途中で適当な容器に回収しつつ、ハンドルを回していきます。

下記の写真のあたりまで大根が短くなると完了です(ハンドルを回しても空回りするようになります)。
最後にいくらかの大根は残る。ハンドルが重くなったら回すのを止めるサイン。

12cmに切った大根から、写真の量のつまができました。また、軸と最後の1cmくらいの厚さの大根が残ります。
12cmに切った大根から、筆者の予想以上に大量のつまができあがった。出来たつまは、バットの下部に少し広げていますが、長いもので20cm強です。ただし、大根の内周側ではいくぶん短いものもできます。(もし大根の下処理で縦に切れ込みを入れなければ、非常に長いつまになります。)

つまを切り終わったら、5~10分ほど水にさらした後、水気を切って完成です。
水を張ったボールにつまを入れて、5~10分ほど水にさらした後、水気を切って完成です。

水にさらす前に、つまと残った部分の重量も測定しておきました(下に測定時の写真:容器の重量は除外)。
12cmに切った大根から、463gのつまができ、46.4gがつまに加工できずに残った。説明書に従って12cmに切った大根から、463 gの大根のつまができ、加工できずに残った部分が46.4 gでした。

ここから計算すると、皮をむいた後の大根の重さを100%として、そのうち約91%がつまになりました。(大根の太さや長さなどで、いくぶん割合は前後します。)

残った部分も、少しいびつな形ですが、もちろん食べられます。

3通りの太さでニンジンを細切り【1mm・2.5mm・4mmくし刃】

次にニンジンの細切りを行いますが、3種類のくし刃を使い分けて、3通りの太さで作ってみます。

最初は、大根のつまを作った時と同じ1mmのくし刃を用いて、ニンジンのつま(けん)を作ります。

ニンジンも大根と同じように、皮をむいてセットします。ただし、ニンジンは大根より細く、円周の長さも短いです。短くなりすぎないように、今回は縦に切れ込みを入れずにセットしました。
ニンジンを機械にセット。ニンジンは太い方を刃の側へ向けてセットすると無駄が少ない。ニンジンは大根に比べて細いので、相対的に軸になる部分が多く、加工できる割合は少ないです。写真のように、太い方を刃の側へ向けてセットすることで、多少は無駄を防げます。

送りレバーを握りながらハンドルを回し、つまを作ります。
ハンドルを回してニンジンのつま(けん)を作る。縦の切れ込みを入れていないので、にんじんが長くつながった状態で出てきます。

ニンジン1本から、写真の量のつまができました。
完成したニンジンのつま(けん)と、残った軸などの部分。

縦に切れ込みを入れなかったので、つまは長くつながっています。下は1本を取り出した写真ですが、長さは約3mです。
バットの上に置いた1本のニンジンのつま。長さは約3m。

ニンジンでも重量を量りました。
ニンジン1本から80.2gのつま(けん)ができ、16.5gが軸などとして残った。ニンジン1本から80.2gのつまができ、16.5gが残りました。皮をむいた後のニンジンのうち約83%がつまになっており、大根の91%に比べ無駄が幾分多くなっています。

次に、2.5mmと4mmのくし刃でもニンジンを細切りにして比較しました。くし刃はドライバーなどの工具なしに、ネジを1本緩めるだけで簡単に交換可能です。

写真の赤い破線で囲った部分がくし刃。ネジは手で緩められる。
本体の左側にあるネジ1本を手で回すと、簡単にくし刃は取り外せる。
くし刃を取り外した様子。
くし刃を外した様子。シンプルな構造で、付け外しは簡単。

回転つまきり君には、最初から本体に取り付けられている1mmのほかに、2.5mmと4mm間隔のくし刃も同梱されています。3つを並べたのが下の写真です。
1mm、2.5mm、4mm間隔のくし刃を3つ並べると、刃が並べられた間隔の違いがよく分かる。

3通りのくし刃を使い分けてニンジンの細切りを作ると、違いがよく分かります。
1mm、2.5mm、4mmのくし刃で3通りの太さに切ったニンジン。2.5mmや4mmのくし刃では、断面は正方形ではなく、約1mmの厚さの平たい長方形になる。2.5mmや4mm間隔のくし刃を取り付けた場合でも、平刃でスライスする厚さは同じです。写真のイメージのように、断面は平たい形になります。

キュウリのリボン切り【平刃のみ】

回転つまきり君は、くし刃を外して平刃だけの状態にすると、ニンジンやキュウリなどのリボン切りもできます。

写真のようにくし刃を外して平刃のみにした後に、野菜をセットしてください。
リボン切りは、くし刃を外して、平刃のみを取り付けた状態で行います。

今回はキュウリでリボン切りをしてみました。

キュウリ1本をリボン切りにした様子。軸の部分を除いた外側部分が、薄く長くつながってスライスされます。
キュウリをヒラヒラしたリボン切りにできた。
ほぼ均一な薄さで、長くつながったリボン切りができます。
リボン切りにしたキュウリは、均一な薄さでカットできている。

回転つまきり君の洗浄・刃の交換

回転つまきり君の使用後は、刃の周りなどに野菜のクズが挟まっています。刃の周りを洗浄する際は、手で触れないように注意して、ブラシなどを使いつつ水洗いしてください。

刃を取り外す場合、くし刃は工具不要ですが、平刃もプラスドライバーがあれば取り外せます(スペースが限られるので短いドライバーだと使いやすいです)。
平刃はプラスドライバーで取り外し可能。本体と平刃の間には、樹脂製のパーツが1枚噛まされている。平刃と本体の間には薄い樹脂製のパーツもあり、紛失しないよう注意が必要です。

平刃の取り付けの向きは、下の写真をご参考ください。平刃には円形の穴と横長の2つの穴があり、横長の穴が本体上側に位置するよう取り付けます。
平刃は、2つあるネジ穴のうち、横長の穴が上側に来るように取り付ける。

交換用の替刃も購入可能

回転つまきり君は、交換用の替刃も販売されています。平刃と3種類のくし刃(1mm、2.5mm、4mm)があるので、間違えないようにご注意ください。

回転つまきり君の替え刃一覧
いずれも千葉工業所の純正パーツ

まとめ・参考資料

回転つまきり君は、コンパクトな本体に必要十分な機能が搭載されています。ロングセラー商品、かつ定番品であり、替刃も入手しやすいです。

強いて欠点を挙げるなら、平刃を取り外した後の再装着がしにくく感じましたが、大きな欠点は筆者には見当たりませんでした。つまを作る調理器具をお探しの方に、ぜひ使ってみてほしい製品です。

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