ハイター(塩素系)とワイドハイター(酸素系)の違いと使い分け
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ハイターとワイドハイターは、どちらも花王の衣類用の漂白剤ですが、塩素系か酸素系かの分類や成分が異なります。
また、ワイドハイターは液体と粉末の2タイプに分類でき、ハイターと合わせて3タイプに分類すると、違いが分かりやすくなります。
漂白剤 | ハイター | ワイドハイター (粉末タイプ) | ワイドハイター (液体タイプ) |
---|---|---|---|
分類 | 塩素系漂白剤 | 酸素系漂白剤 | |
漂白成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム | 過酸化水素 |
漂白力 | とても強い | やや強い | やや弱い |
色柄もの | 適さない | 使える | 使える |
おしゃれ着 | 適さない | 適さない | 使える |
このように、ハイターとワイドハイターでは、漂白力の強さや、色柄もの・おしゃれ着に使えるかに違いがあります。
酸素系のワイドハイターは、塩素系のハイターに比べ、色柄ものやおしゃれ着などにも幅広く(ワイドに)使えるのが特徴です。
この記事では、ハイターとワイドハイターの違いとラインナップを詳細にまとめ、適した使用シーンや使い分けを解説します。
塩素系漂白剤は、酸性洗剤などと混ぜると有毒な塩素ガスが発生する恐れがあります(まぜるな危険)。必ず製品ラベルの使い方・注意点をよく読んでからお使いください。
安全な使い方については、日本家庭用洗浄剤工業会の「安全に使うために」もご参考ください。
ハイターとワイドハイターの違いとラインナップ

以下に、ハイターとワイドハイターの詳しい比較表を示します。
漂白剤 | ハイター | ワイドハイター (粉末タイプ) | ワイドハイター (液体タイプ) |
---|---|---|---|
分類 | 塩素系漂白剤 | 酸素系漂白剤 | |
製品数 | 1製品 | 1製品 | 4製品 |
漂白力 | とても強い | やや強い | やや弱い |
まぜるな 危険 | ⚠該当する (酸性との混合禁止) | 該当しない | 該当しない |
漂白成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム | 過酸化水素 |
液性 | アルカリ性 | 弱アルカリ性 | 酸性 |
色柄もの | 適さない | 使える | 使える |
おしゃれ着 (毛・絹) | 適さない | 適さない | 使える |
界面活性剤 | 配合なし | 配合 | 配合 |
洗濯洗剤 との併用 | 中性・アルカリ性の 洗濯洗剤と併用できる | 併用できる | 併用できる |
衣類のシミ に直接塗布 | 衣類が傷むのでNG | 粉末なので不向き | 適する |
- 製品数は時点の家庭向け製品のもの。サイズ違いや業務用製品、漂白剤ではない製品はカウントしていない。
- 液体タイプのワイドハイターは、「ワイドハイター」「ワイドハイター EXパワー」「ワイドハイター PRO リキッド」「ワイドハイター PRO 泡スプレー」の4製品が該当する。
ハイターとワイドハイターの大きな違いは、使用できる衣類と漂白力の強さです。
- 塩素系のハイターは、白物衣類にしか使えないものの、酸素系のワイドハイターよりも強い漂白力が特徴。
- 酸素系のワイドハイターは、色柄ものを含む幅広い衣類に使え、普段使いしやすい漂白剤。
この章では続いて、ハイターとワイドハイターのラインナップを紹介します。
塩素系のハイターのラインナップ【1種類のサイズ違いのみ】
「ハイター」は、花王の衣類用の塩素系漂白剤です。白物衣類に強い漂白力を発揮しますが、色柄ものの衣類には使用できません。
ハイターはボトルに入った液体タイプの塩素系漂白剤で、水で希釈して用います。

なお、界面活性剤は含まれておらず、中性~アルカリ性の洗濯洗剤と併用する製品です。
ハイターは「まぜるな危険」
ハイターは塩素系であり、「まぜるな危険」に該当する漂白剤です。酸性の製品や物質と混ぜると有毒な塩素ガスが発生します。
製品ラベルに書かれているように「中性やアルカリ性の洗濯洗剤」とは併用できますが、決して酸性洗剤とは混ぜないでください。
酸素系のワイドハイターのラインナップ【複数製品あり】
ワイドハイターはシリーズ展開されており、複数の製品があります。
いずれも酸素系漂白剤であり、色柄ものの衣類に使用できます。また、塩素臭がしないこともメリットです。
製品 | 画像 | 漂白成分 | 液性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ワイドハイター | ![]() | 過酸化水素 | 酸性 | ベーシックな液体タイプの |
ワイドハイター | ![]() | 過酸化水素 | 酸性 | コンパクトな濃縮タイプ。 |
ワイドハイター | ![]() | 過酸化水素 | 酸性 | 濃縮タイプで、 |
ワイドハイター | ![]() | 過酸化水素 | 酸性 | 部分的な汚れ・シミに |
ワイドハイター | ![]() | 過炭酸ナトリウム | 弱アルカリ性 | 液体タイプより汚れ落ちに |
- 表には家庭向け製品のみを記載した。
- 各製品のテキストはAmazonにリンクしている。
- EXパワーは560 mLと930 mLの2サイズがある。
- 各製品にはつめかえ用やつけかえ用が存在する。
ワイドハイターは液体と粉末で成分が異なり、漂白力や使い勝手にも大きな差があります。
- 粉末タイプのワイドハイター
- 「ワイドハイター PRO 粉末」が該当する。
- 液体タイプよりもかなり強い漂白力がある。
- 色柄ものにも使えるが、おしゃれ着(毛・絹)には使えない。(弱アルカリ性であるため)
- 溶けるまで時間がかかるため、液体タイプに比べやや長めのつけ置き時間が必要。
- 「汚れ落ちを重視したい」「ガンコな汚れ・シミを落としたい」「しっかりと除菌や消臭をしたい」ときにぴったり。
- 液体タイプのワイドハイター
- 複数の製品があるが、迷ったら定番の「ワイドハイター EXパワー」がおすすめ。
- 粉末タイプほど強い漂白力はない。
- 色柄ものに使えるだけでなく、おしゃれ着(毛・絹)にも使える。
- 「漂白剤をプラスしつつもダメージを抑えて優しく洗いたい」「おしゃれ着を洗いたい」「部分的なシミ・汚れに直接塗りたい」ときにぴったり。


なお、ワイドハイターシリーズの製品は界面活性剤が含まれていて、単独で薄めてつけ置きに使用しても効果的な製品です(洗濯洗剤と併用も可能)。
ハイターとワイドハイター(粉末・液体)の使い分け
塩素系のハイターと酸素系のワイドハイターでは、使える衣類に違いがあります。
衣類 | ハイター | ワイドハイター (粉末タイプ) | ワイドハイター (液体タイプ) |
---|---|---|---|
白物衣類 | ◯ | ◯ | ◯ |
色柄もの | ✖ | ◯ | ◯ |
おしゃれ着 | ✖ | ✖ | ◯ |
- ◯使える
- ✖使えない
漂白力は強い方から「ハイター > 粉末ワイドハイター > 液体ワイドハイター」の順になっていますが、漂白力が強いほど使える衣類は限定されます。
シミや汚れがガンコな場合は、洗う衣類に合わせて、なるべく漂白力が強いものを選ぶとよいでしょう。
もっとも、漂白力が強いほど、使うたびに衣類へのダメージが蓄積しやすいことには注意が必要です。
使い方としては、ハイターとワイドハイターのどちらも、「つけ置きによる漂白」と「洗濯での洗剤との併用」の両方が可能です。
ただし、「汚れに直接塗る」使い方ができるのは液体のワイドハイターのみです。ハイターは漂白力が高すぎて原液の塗布には向かず、粉末の酸素系のワイドハイターではうまく塗れません。
続いて、ハイターとワイドハイター(粉末と液体)の使い分けや適した使用シーンについて、順番に解説します。
白無地なら塩素系のハイターも使える【とても強い漂白力】
白無地の衣類を白く仕上げたいなら「ハイター」がおすすめです。
ハイターは塩素系なので、衣類用の漂白剤の中でも、とくに強い漂白力があります。
- ハイターのメリット
- とても強い漂白力がある。
- 白無地の衣類や、ふきん・おしぼり・タオルなどを真っ白に漂白できる。
- 除菌や消臭効果も強力。
- ハイターのデメリット
- 色柄ものには使えない。おしゃれ着(毛・絹など)にも使えない。
- 塩素臭が気になることもある。
- 「まぜるな危険」に該当する漂白剤であり、酸性洗剤と混ぜないように注意を要する。
ハイターは、白無地の衣類であれば、つけ置きや洗濯機で使用できます。
また、ハイターには界面活性剤が含まれていませんが、中性・アルカリ性の洗濯洗剤との併用が可能です。
色柄もののシミ・汚れには粉末のワイドハイター【やや強い漂白力】
色柄ものの衣類のガンコなシミ・汚れを落としたいなら、粉末タイプの「ワイドハイター PRO 粉末」がおすすめです。
「ワイドハイター PRO 粉末」は酸素系なので、色柄ものにも安心して使え、液体タイプよりも高い漂白力を発揮します。
- 粉末ワイドハイターのメリット
- 液体タイプのワイドハイターよりも漂白力が高い。
- 色柄ものにも安心して使える。
- ガンコな食べこぼし・汗ジミ・黄ばみなどに効果的。
- 除菌・消臭効果も高い。
- 塩素臭がしない。
- 粉末ワイドハイターのデメリット
- おしゃれ着(毛・絹)には使えない。
- 液体タイプに比べて、粉が溶けるまでやや時間がかかる。
- 部分的に直接塗る使い方はできない。
「ワイドハイター PRO 粉末」は、40℃前後のお湯を使うと、とくに効果的なつけ置きができます。
また、洗濯洗剤と併用することで、普段の洗濯でも汚れ落ちや消臭・除菌効果を高められます。
おしゃれ着には液体のワイドハイター【穏やかな漂白力】
おしゃれ着(毛・絹)や色柄ものを優しく漂白したいなら、液体タイプのワイドハイターがおすすめです。
液体タイプのワイドハイターは酸素系で穏やかな漂白力があり、デリケートな素材にも使用できます。複数の製品がありますが、迷ったら定番の「ワイドハイター EXパワー」を選ぶとよいでしょう。
- 液体ワイドハイターのメリット
- 色柄ものにも、おしゃれ着(毛・絹)にも使える。
- 衣類へのダメージが少なく、優しく漂白できる。
- 液体なので、シミに直接塗布することもできる。
- 塩素臭がしない。
- 液体ワイドハイターのデメリット
- 粉末タイプやハイターに比べて漂白力は控えめ。
- ガンコな黄ばみやシミにはやや効果が限定的。
液体タイプのワイドハイターは、つけ置きでの使用のほか、シミや汚れに直接塗布することもできます。
また、普段の洗濯でも洗濯洗剤と併用することで、衣類を清潔に保てます。
まとめ・よくある質問・脚注・参考文献
ハイターとワイドハイターは、漂白したい衣類の種類や漂白力の強さによって使い分けるとよいでしょう。
塩素系のハイターは、白物専用の強力な漂白剤です。白いシャツやタオルを真っ白に仕上げたいときには最適ですが、色柄ものに使うと脱色してしまうため注意が必要です。また「まぜるな危険」の漂白剤であり、酸性洗剤との混合は絶対に避けてください。
酸素系のワイドハイターは、色柄ものにも安心して使え、粉末タイプと液体タイプがあります。粉末タイプはガンコなシミに効果的で、液体タイプはおしゃれ着にも使える穏やかな漂白力が特徴です。
普段の洗濯では、洗う衣類に合わせて適切な漂白剤を選ぶことで、衣類を傷めることなく清潔で美しい仕上がりが得られます。
よくある質問
よくある疑問や質問に回答します。
液体のワイドハイターは複数の製品がありますが、迷ったら「ワイドハイター EXパワー」がおすすめです。
液体の酸素系漂白剤は近年、コンパクトな濃縮タイプが主流になっています。そうした濃縮タイプのワイドハイターの中でも、EXパワーが定番の製品です。
まずは定番のEXパワーを使ってみた後、紹介したワイドハイターのラインナップを参考に、必要に応じて他の製品を試してみてるとよいでしょう。
「ワイドハイター PRO 粉末」には、漂白成分である過炭酸ナトリウムのほかに、アルカリ剤(炭酸ナトリウム)・界面活性剤・漂白活性化剤などが含まれていて、単独の過炭酸ナトリウムよりもさらに効果的な漂白や洗浄が行えることが特徴です。
粉末のワイドハイターとオキシクリーンは、どちらも粉末の酸素系漂白剤であり、類似した製品です。
ただし、オキシクリーンには日本版とアメリカ版があります。
日本版のオキシクリーンは、界面活性剤が配合されていない点が粉末のワイドハイターとは異なります。
アメリカ版のオキシクリーンは、界面活性剤が配合されており、とくに粉末のワイドハイターに似ている製品です。
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