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石鹸カスの落とし方の化学~クエン酸で中和は間違いです!

石鹸カス掃除の化学|酸で中和だと落ちない理由とは

石鹸カス(金属石鹸)はアルカリ性の汚れなのでクエン酸で落ちるとの情報が広く出回っています。「汚れは中和すれば落ちる」という疑似科学に基づく、間違った掃除方法です。

石鹸カスにクエン酸を使うだけでは、水に溶けない脂肪酸が生じるだけで、汚れは洗い流せません。酸を使った後にアルカリを使う二段階の掃除方法により、ようやく水で洗い流せるのです。

この記事では、書籍やネットで紹介されている通説とは異なる、科学(化学)的な石鹸カスの落とし方を実験を交えて解説します。一般家庭のみならず、プロの清掃業の方にもおすすめする方法です。

石鹸カスの落とし方(化学に基づく除去方法)

筆者が考案した石鹸カスの掃除方法を紹介します。石鹸カスと一緒に、お風呂の床や壁などの汚れの大部分を落とせる方法なので、普段の風呂掃除にもご活用ください。

掃除に必要なものは、クエン酸水溶液とセスキ炭酸ソーダ水溶液です(以降、クエン酸水、セスキ水と表記)。

概要を下に示します。

酸とアルカリによる石鹸カスの落とし方
  1. クエン酸水を、スポンジなどを使ってまんべんなく塗り広げる。
  2. 水でしっかり洗い流す。
  3. スポンジなどを使ってセスキ水を塗り広げつつ、軽くこする。
  4. 水でしっかり洗い流す。
アルミの浴槽や大理石など、酸やアルカリが使えない素材には向きません。ご注意ください。
筆者はこの手順を素手で行っていますが、肌の弱い方は適宜、ゴム手袋などの保護具を着用してください。

下図は、この手順に伴う石鹸カスの変化です。石鹸カス(金属石鹸)は、クエン酸により「脂肪酸」になった後、さらにアルカリを作用させると石鹸へと変化します。
石鹸カスは、クエン酸を作用させると脂肪酸になり、さらにアルカリで中和されて石鹸になって除去される。

最終的に石鹸になるので、力を入れてゴシゴシこする必要はありません。一般的に紹介されている「石鹸カスをクエン酸で中和する」という掃除方法とは大きく異なります。

石鹸カスは、酸とアルカリを順番に反応させる二段階の掃除方法により石鹸に変化し、水に溶かして落とせる。ゴシゴシと力を入れてこする必要はない。

続いて、各手順の細かなコツや注意点などを、実際に石鹸カスを落としつつ解説します。

石鹸カスを実際に落としてみる

今回は、人工的に石鹸カスを付着させたサンプルで、石鹸カス除去のデモンストレーションを行います。

石鹸カスの変化が分かりやすいように、黒い塩ビ板の表面に、石鹸と塩化カルシウムを反応させて石鹸カスを付着させたサンプルを用意しました。黒い塩ビ板上に、白い石鹸カスを人工的に付着させたものを用意した。白い石鹸カスが頑固に付着しており、こすっても簡単には落ちない状態です。

この塩ビ板についた石鹸カスを、酸とアルカリを使う二段階の掃除方法で落としていきます。

準備:2種類の水溶液(クエン酸・セスキ炭酸ソーダ)を調製

掃除を始める前に、クエン酸水とセスキ水を作ります。5%ほどの濃度を目安に作りましょう。ぴったり5%にする必要はありません。約5 g(小さじ1杯程度)の粉末を、水道水で100 mL程度に希釈します。

クエン酸水の方は、ハイターやブリーチなどの塩素系漂白剤と混ぜたり、一緒に使ったりしないでください。作った溶液を保管する場合、中身と注意書きを明記したラベルを貼っておくと安心です。

2種類の溶液を作ってボトルに保管。ラベル代わりに白いマスキングテープ(25 mm幅)を利用。
2種類の溶液を約500mLずつ作り、ボトルにラベルを貼って保管。

クエン酸水などの水溶液は、スプレーする使い方がよく紹介されます。しかし筆者は「洗瓶せんびん」を愛用しています。少なくとも風呂掃除においては、スプレーよりずっと効率的で手も疲れません。
2種類の溶液を入れた2つの洗瓶。

スプレーや洗瓶がなくても掃除はできます。直接スポンジや床などに溶液をかけつつ、塗り広げる方法でも大丈夫です(ただし溶液を多く消費しがち)。

筆者が使用している容器と、おすすめのクエン酸・セスキ炭酸ソーダを下にまとめています。

2種類の溶液が調製できたら、あとはスポンジなどがあれば準備完了です。

一段階目:クエン酸水溶液を塗布

ここから、実際の掃除の手順です。

まずはクエン酸水を石鹸カスがついた場所にかけて、スポンジなどでまんべんなく塗り広げます。

クエン酸を使う前に、固形石鹸は別の場所に避難させておきましょう。

石鹸にクエン酸がかかってしまうと「弱酸の遊離」が起こり、石鹸が脂肪酸へ変化するのです。すると、危険性はないものの、石鹸としての性質が失われます。

もし石鹸表面にクエン酸がかかってしまったら、セスキ水をかけると、ある程度は石鹸に戻すことも可能です。

洗いたいものにクエン酸水を吹きかけます。
洗瓶を使ってクエン酸をかける。

スポンジなどを使って、クエン酸水を塗り広げていきます。強くこする必要はありませんが、石鹸カスが分厚くこびりついた箇所があれば、軽くこすると効果的です。
スポンジを使って、クエン酸水を塗り広げていく。クエン酸を塗り広げた後、長時間放置する必要はありませんし、すべきではありません(より頑固な汚れになる可能性あり)。

クエン酸水を全体に塗り広げたら一旦、水でしっかりと洗い流します流す際は、スポンジでこすったりせず、全体に水をかけるだけで十分です。こすってしまうと、逆に汚れが広がってしまいます。

クエン酸を塗った段階で、石鹸カスは脂肪酸に変わっています。塩ビ板の表面は、カチカチの石鹸カスでなく、ベトベトした脂肪酸が付着した状態になりました。
石鹸カスが脂肪酸に変化して、ベトベトしている塩ビ板。水滴がコロコロと丸まり、塩ビ板の表面が強く水をはじいていることが分かります。表面に残った脂肪酸が、水となじみにくい性質があるためです。

塩ビ板の表面を拡大すると、白い油状の物質が付着している様子が観察できます。その正体は脂肪酸であり、ベタベタしていて、水に溶けません。塩ビ板の表面を拡大すると、油状の物質が付着しているように見える。その正体は脂肪酸である。

方々で主張されている「石鹸カスはクエン酸で中和すると落ちる」という説が、現実に即していないことが分かります。

石鹸カスにクエン酸を作用させると、化学反応は起こるものの、ベタベタした脂肪酸が残る。この段階では汚れは除去できていない。

この一段階目では、クエン酸水をケチらず多めに使うのがコツです。壁・床・浴槽など、浴室全体を掃除するなら、一度に100~200 mLほどは使ってもよいでしょう。

二段階目:セスキ炭酸ソーダ水溶液を塗布

二段階目ではセスキ水を塗布します。

前の手順でクエン酸水を塗り広げたスポンジなどには、脂肪酸が付着しています。まずスポンジにいくらかセスキ水をかけて、もみ洗いをすると、脂肪酸が石鹸へ変化します。

先ほどクエン酸水をかけた場所に、セスキ水をかけてから軽くこすります。掃除前に石鹸カスが付着していた場合は、石鹸が生じて泡立つはずです。

見た目ではあまり汚れていない浴室の床なども、普段から石鹸を使っている場合、この時点で明らかに泡立つことが多いです。

セスキ水を適量かけます。
洗瓶でセスキ水をかける。

スポンジで、軽くこすりながらセスキ水を塗り広げます。すると、セスキ水を使っただけなのに、写真のように泡立ちます。これは、脂肪酸から石鹸が生じたためです。
セスキ水を塗り広げた塩ビ板は、石鹸が生じたことで少し泡立っている。

石鹸が生じるので、この状態で軽くこすり洗いすると、風呂の垢やタンパク汚れなども一緒に落とせます。

最後に、もう一度しっかりと水で洗い流して、掃除完了です。

塩ビ板を水で洗い流すと、奥に置いた洗瓶が反射して映り込むほどきれいになりました。
洗浄後の塩ビ板は、表面の光沢が取り戻され、反射により奥の物体が映り込んでいる。

以上のような二段階の掃除方法で、石鹸カスを効率よく除去できました。

浴室の汚れが落ちて綺麗になると、洗う前は水をはじいていたものが、水がスッとなじむよう広がることも多いです(浴室などの素材にもよります)。綺麗になったかの目安に、水のはじき具合、なじみ具合にも注目するとよいでしょう。

風呂の水垢、皮脂、タンパク汚れなども同時に除去可能

紹介した掃除方法で落ちるのは石鹸カスだけではありません。風呂の多くの汚れを落とせるので、普段の風呂掃除の方法としてもおすすめです。

クエン酸水を作用させると、化学反応により水垢が落とせます

セスキ水を作用させる二段階目では、先にも述べたとおり、石鹸が生じます。普通の風呂掃除のようにスポンジでこすれば、皮脂汚れやタンパク汚れ(身体を洗った際の垢など)が落ちやすいです。

石鹸カス汚れが厚く頑固な場合の対処法

石鹸カス汚れが軽微ならば、ここまで紹介した方法で簡単に除去できるはずです。

しかし、石鹸カスが分厚く堆積している場合には、一筋縄にはいかないこともあります。次のようなポイントを意識しましょう。

分厚く頑固な石鹸カスを落とすポイント
  • クエン酸水の濃度を、10%など、濃く調製してみる。
  • クエン酸水におしゃれ着用洗剤を少量混ぜて、汚れに浸透しやすくする。
  • クエン酸水をかけた後、硬めのスポンジや布などで石鹸カスの表面をこすってみる。
  • セスキ水を塗っても、固くて落ちない汚れが残る場合は、無理にこすっても無駄。一度水で流し、最初のクエン酸からやり直す。

本記事で紹介している方法では、一段階目のクエン酸水で、石鹸カスを効率よく脂肪酸へと変換できるかどうかが重要です。脂肪酸になれば、あとは簡単にセスキ水で落とせます。

二段階目でなかなか落ちない場合、ゴシゴシと力を入れて擦るのは労力の無駄です。その場合は一旦、水で流してから、最初からやり直しましょう。

クエン酸水は、クエン酸の濃度を高めて、おしゃれ着用洗剤を少量(300~400倍希釈)添加すると効果的です。また、硬めのスポンジや布などでこすると、石鹸カスの奥までクエン酸が浸透することを助けます。

クエン酸水の濃度を高めたり、おしゃれ着用洗剤を添加したりした場合は、スプレーではなく、洗瓶で使うか、直接振りかける様に使います。

石鹸カスが落ちる原理を「実験も交えて」説明!

先の章では、化学に基づく石鹸カスの落とし方を解説しました。この章では、紹介した掃除方法で石鹸カスが落ちる原理を、実験も交えて詳しく解説します。

石鹸カスを溶かすには酸とアルカリの二段階が必要

石鹸カスを落とすには、「脂肪酸」「石鹸」「金属石鹸(石鹸カス)」の3つの物質が鍵となります。

石鹸カス落としで重要な3つの物質
脂肪酸
油脂の分解産物。酸である。水に溶けない。
石鹸
脂肪酸をアルカリで中和するとできるえん。脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムのこと。
金属石鹸
脂肪酸の金属塩であり、石鹸カスの成分。石鹸と水中の金属イオンが反応すると生じる。

これら3つの物質の性質や関係性を、下図に示します。
脂肪酸と石鹸と金属石鹸は、化学反応により変換できる関係にある。図中の矢印は、化学反応を表しています。これらの化学反応を適切に利用すれば、金属石鹸(石鹸カス)を再び石鹸に変化させて、水で洗い流せるのです。

具体的には、石鹸カス(金属石鹸)をクエン酸などの酸で脂肪酸にした後、アルカリを作用させれば石鹸(脂肪酸ナトリウム)になります。

下図は、筆者が考案した除去方法と、一般的に紹介されている従来の方法の比較です。
従来の方法では最後に脂肪酸が残り除去に多大な労力を要するが、本記事で紹介する方法では水で洗い流せる。従来の「クエン酸で中和する」という方法では、「石鹸カスを溶かせる」などと解説される場合もありますが、実際には脂肪酸が残ります。

石鹸由来の脂肪酸は、固体だったり、オイル様のヌルヌルした液体だったりします。従来の方法では、残った脂肪酸を一生懸命こすったりして落とす労力が必要です。

一方、筆者が提案する方法では、石鹸カスが石鹸へと変化します。本当に水に溶かして落とせるので、従来の方法のような地道な作業は必要ありません。

実験1:石鹸カスはクエン酸のみでは落ちない(溶けない)

試験管中で石鹸カスを生じさせた後に、クエン酸を反応させる実験を行い、変化を観察します。

まず、試験管に細かく削った石鹸と精製水を入れて溶かし、石鹸水を作ります。

試験管に、削った固形石鹸を少量入れました。
試験管に少量の削った固形石鹸を入れた。
適量の精製水を注ぎました。
固形石鹸の入った試験管に、精製水を適量注いだ。
試験管をお湯に浸し、石鹸を溶かしました。
試験管を湯浴で加温して、石鹸を溶かしました。
石鹸が溶けきり、無色透明の石鹸水になりました。
石鹸が精製水に溶けて、無色透明の石鹸水になりました。

ここに、適量の塩化カルシウム(CaCl2)水溶液を加えると、石鹸カスの成分でもある金属石鹸が生じます。

石鹸水に塩化カルシウム水溶液を加えると、金属石鹸(石鹸カス)の白い沈殿が生じます。
石鹸水に塩化カルシウム水溶液を加えると、金属石鹸が生成して白く濁る。
よく振り混ぜると、白い沈殿が多量に生じ、石鹸水は一切泡立たなくなります。
塩化カルシウム水溶液を加えてよく振り混ぜると、白い沈殿がたくさん出来て、石鹸水は泡立たなくなる。

金属石鹸(石鹸カス)が生じたところに、クエン酸水溶液を加えます。すると写真のように、水中に広く分散していた沈殿が、水面近くに集まってきました。
クエン酸を加えると、今までよりも沈殿が水面付近に集まってくる。

この時、「弱酸の遊離」と呼ばれる化学反応が起こり、金属石鹸(脂肪酸カルシウム)から脂肪酸が遊離しています。

さらに振り混ぜると、浮遊していた脂肪酸の固体がひとつにまとまり、下の写真のようになりました。
試験管をよく振り混ぜると、生じた脂肪酸がひとかたまりになった。

実際の掃除では、この脂肪酸はベトベトした汚れで、こすって落とすには多大な労力を要します。

実験2:酸の後にアルカリを使うと「石鹸」になり水に溶ける

次に、脂肪酸にセスキ炭酸ソーダを作用させる実験を行います。風呂掃除でクエン酸を作用させて水で流した後の、セスキ炭酸ソーダを使う二段階目を仮定した実験です。

脂肪酸として、今回はラウリン酸(炭素数12の飽和脂肪酸)を使用しました。化粧品原料でもあり、Amazonなどの通販サイトでも購入可能です。

フレーク状のラウリン酸です。
フレーク状のラウリン酸
セスキ炭酸ソーダと反応しやすいように、乳鉢と乳棒を使いラウリン酸を粉末にしました。
乳鉢で擦って、フレーク状だったラウリン酸を粉末状にした。

試験管に少量の脂肪酸(ラウリン酸)と精製水を入れると、水に溶けない脂肪酸が水面付近に浮かびます。
ラウリン酸は水に溶けないので、白色粉末のラウリン酸が水面に浮かんでいる。

脂肪酸は水に溶けませんが、アルカリを反応させると石鹸に変化します。セスキ炭酸ソーダ水溶液を加えて、スターラー(撹拌用の装置)を使って混ぜました。
ラウリン酸とセスキ炭酸ソーダ、精製水をよく混ぜた。脂肪酸が石鹸に変化するため、だんだんと泡立つようになります。

石鹸の溶解度を高めるために少し加熱をしつつ、さらに撹拌すると、脂肪酸が反応しきって透明な溶液になりました。
溶液中に浮かんでいた固体は消えてなくなり、無色透明の泡立つ水溶液になった。底にある白い物体は、撹拌に用いる磁石(撹拌子)です。

蓋をして試験管を振り混ぜると、よく泡立ちます。
試験管を振った後は、液体と同じくらいの体積の泡が生じていて、とても泡立ちがよいことが分かる。

このように脂肪酸は、アルカリにより石鹸へと変化します。

石鹸カスは、クエン酸を作用させると脂肪酸になり、さらにセスキ炭酸ソーダなどのアルカリで石鹸に変化する。

石鹸カス掃除のQ&A

この章では、石鹸カス掃除に関するよくある疑問を、Q&A形式で解決します。

石鹸カスは何性?(酸性?アルカリ性?)

石鹸カスは酸性でもアルカリ性でもない。石鹸カスの特徴としては「弱酸の塩」であることに着目すべき。

石鹸カス(金属石鹸)は水に溶けず、金属石鹸を水に加えても液性は中性のままです。石鹸カスが酸性かアルカリ性かと考える意味はなく、強いて言えば中性の物質といえます。

そもそも、「汚れは酸性とアルカリ性に分類され中和すると落とせる」という説は非科学的な側面が強く、化学に基づいたものではありません。

誤った原理をもとに考えてしまうと、「アルカリ性の石鹸カスは酸で中和すると落ちる」という通説のような、誤った結論が導かれがちです。

石鹸カスの性質や、石鹸カス汚れを酸やアルカリで落とす原理について、より正しくは下記のように理解するとよいでしょう。

石鹸カスを酸やアルカリで落とすことの化学的説明
  1. 石鹸カス(金属石鹸)は、脂肪酸という弱酸のカルシウム塩やマグネシウム塩である。つまり弱酸の塩である。
  2. 石鹸カスに、クエン酸や塩酸などの脂肪酸よりも強い酸を反応させると、「弱酸の遊離」と呼ばれる形式の化学反応が起こり、脂肪酸が生じる。
  3. 脂肪酸は水に溶けない物質だが、セスキ炭酸ソーダなどのアルカリを作用させると石鹸(脂肪酸ナトリウム)になり、水に溶けて除去される。

風呂の床にクエン酸を使うと白くなった…原因は?

石鹸カスにクエン酸を反応させると脂肪酸が遊離するので、浴室の床などが掃除前より白くなってしまうことがある。

浴室の床をクエン酸を使って掃除すると、白い汚れが浮き出て目立つようになり、掃除前よりむしろ汚れてしまうケースがあります。失敗の原因は一概には言えませんが、「脂肪酸」が原因であることが多いでしょう。

これまで解説や検証をしてきたとおり、石鹸カスにクエン酸を使うと、脂肪酸が生じます。掃除前に石鹸カスがあまり目立っていなかった場合でも、クエン酸を使って脂肪酸が生じると、白く目立ってしまうことは十分にあり得るのです。

さらに、その白い汚れがヌルヌルして水をはじいていたら、脂肪酸だと推定してもよいでしょう。

原因が脂肪酸であれば、本記事で紹介してきたように、セスキ炭酸ソーダなどのアルカリを使えば白く浮き出てきた汚れを落とせます。

まとめ

石鹸カスは、書籍やネット上に多い通説とは異なり、酸だけでは除去できません。水に溶けない脂肪酸が生じるので、さらにアルカリを使えば石鹸に変化して水で洗い流せます。

本記事で紹介した方法は低コストながら、市販の石鹸カスに強いお風呂用洗剤に劣らない、強力な石鹸カスの除去方法です。普段から石鹸をお使いの方は、ぜひ一度お試しください。