ハイターとブリーチの違い【ハイターは花王製品・他社はブリーチ】

ハイターとブリーチの名称と販売元の違い

衣料用の塩素系漂白剤としては、ハイター（花王製品）やブリーチ（他社製品）があります。

さらに、台所用の塩素系漂白剤としてはキッチンハイター（花王製品）やキッチンブリーチ（他社製品）があります。

このように、「ハイター」は花王製品のみに使われる名称で、「ブリーチ」は各社が自由に使える名称です。

「ハイター」は商標登録された花王の製品

「ハイター」は、花王が商標登録し、ブランド化している名称です。

花王は、衣料用の塩素系漂白剤「ハイター」のほか、「キッチンハイター」や「ワイドハイター」など、“ハイター”を含むさまざまな製品名を商標として登録・使用しています。

「ブリーチ」は各社が自由に使える名称

漂白剤の代名詞にもなっている「ハイター」は花王の登録商標で、他社はこの名称を使えません。

そのため、各社は独自の商標か、一般名称である「ブリーチ」などを製品名として用いています。

花王の「ハイター」シリーズとは、以下のような対応関係にあります。

以下に、「ブリーチ」という名称を含む漂白剤の、代表的な販売元を挙げます。洗剤メーカーの製品に加えて、プライベートブランドによる販売例も掲載しています。

なお、花王も「ブリーチ」という名称をまったく使っていないわけではありません。

花王が1962年8月に発売した塩素系漂白剤は「花王ブリーチ」という名称でした（1966年7月に「花王ハイター」に改称）。

現在でも業務用の花王製品には、「Ｋａｏ ブリーチ」や「月星 ブリーチＣ」などがあります。

ハイターとブリーチの価格・品ぞろえ・成分・使い方の違い

この章では、つけおきタイプの塩素系漂白剤について、ハイターとブリーチの価格・品ぞろえ・成分・使い方の4つを比較します。

順に詳しく解説します。

価格はブリーチの方が安い

花王のハイターやキッチンハイターに比べて、他社のブリーチやキッチンブリーチの価格は、ずっと安い傾向があります。

当サイトでは今回、公式通販サイトなどで商品の価格を閲覧できる10社の小売チェーンを対象に、容量が600 mLと1.5 Lの製品について独自の価格調査を行いました。

価格調査の内容や結果については、以下に詳細を公開しています。

品ぞろえはハイターの方が良い

価格調査では、品ぞろえの面でも差が見られ、他社製品に比べて、花王のハイターやキッチンハイターの方が品ぞろえがよい傾向がありました。

成分は同等だが濃度が異なることも

つけおきタイプの塩素系漂白剤は、以下のような成分で作られており、メーカーによる成分の違いはほとんどありません。

ただし、次亜じあ塩素酸ナトリウムの濃度は、メーカーや製品により多少の差があります。

以下に、つけおきタイプの漂白剤について、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を公開しているメーカーの情報をまとめます。

花王の「ハイター」と「キッチンハイター」は、次亜塩素酸ナトリウム濃度が6%になるように生産されています。

一方、他社のブリーチやキッチンブリーチは、メーカーによって次亜塩素酸ナトリウムの濃度に違いがあり、花王製品よりもやや低めの製品も少なくありません。

ただし、一部のメーカーを除けば、ブリーチやキッチンブリーチも濃度5%以上の製品が主流であり、濃度に関しては価格差ほどの大きな違いは見られません。

使い方はほぼ同じ

花王のハイターやキッチンハイターと、他社のブリーチやキッチンブリーチでは、同じ用途の製品なら、記載された使い方にも大きな違いはありません。

塩素系漂白剤は、「洗浄剤・漂白剤等安全対策協議会」により製品表示などの業界の自主基準が定められており、国内の製品はこれに準拠した表示を行っているためです。

まとめ・脚注・参考資料

「ハイター」と「ブリーチ」は、どちらも漂白剤を指しますが、大きな違いは製造・販売元にあります。ハイターは花王の登録商標であり、花王製品だけに使われる名称です。一方、ブリーチは一般名称で、他社が自由に製品名として使えます。

成分に大きな違いはなく、塩素系であれば基本的に「次亜塩素酸ナトリウム」が漂白成分です。ただし、その濃度にはやや差があり、ハイターは6%、他社製品は4.3～6%程度といったばらつきが見られます。とはいえ、価格差ほどの性能差はないのが実情です。

価格面ではハイターよりもブリーチの方が安価に購入できますが、品ぞろえは花王のハイター製品の方が充実しています。