クエン酸水溶液のpH【濃度別の実測値を公開】

2020年9月16日

この記事では、クエン酸水溶液の実測pH値を公開しています。

酸性の物質であるクエン酸は、「弱酸」に分類されます。塩酸や硫酸などの「強酸」に比べれば、穏やかな酸性です。

しかしクエン酸は、弱酸のなかでは強めの酸です。クエン酸水溶液のpHは、おおよそ2程度ですが、濃度次第でずいぶんと変化します。高濃度では、pHが1を下回るのです。

この記事では、クエン酸水溶液のpHを、低~高濃度までの広い範囲で実測し、その数値を公開しています。また、酢とのpHの比較も行います。

クエン酸水溶液のpH(濃度別)

pH計を使い、クエン酸水溶液のpHを、実際に測定しました。広い濃度範囲でのpH測定結果を、表にまとめます。

クエン酸水溶液のpH(実測値)
クエン酸濃度 pH クエン酸濃度 pH
40% 0.91 2.5% 1.81
30% 1.08 1% 2.12
20% 1.21 0.5% 2.33
10% 1.42 0.25% 2.47
5% 1.63 0.1% 2.67
濃度は質量パーセント濃度。
クエン酸水溶液の調製には、無水クエン酸(ニチガ製)と精製水を使用。

クエン酸濃度40%では、pHは1未満の強酸性になりました。濃度が下がれば、当然酸性も弱まり、pHは上昇します。それでも、0.1%ではpHが2.67と、まずまず強めの酸性を示しました。

濃厚なクエン酸水溶液は強い酸性を示しますが、酸の危険性や安全性、腐食性などは、必ずしもpHだけでは決まらないことに注意してください。クエン酸は、食品にも利用できるほど安全性の高い物質です。

pHとは、水溶液の酸性~中性~アルカリ性といった液性を、数値化した指標です。ちょうど中性では、pHが7になります。7より小さいと酸性であり、大きいとアルカリ性を示します。

pHが1変化するごとに、液性を決定づける「水素イオン(H+)」の濃度は、10倍変化します。例えば、pH=3に比べ、pH=2の水溶液では10倍の濃度の水素イオンが存在します。

クエン酸と酢、酸性が強く、pHが低いのはどっち?

クエン酸は、酢の酸性成分である酢酸よりも強い酸です。濃度が同程度なら、酢酸水溶液より、クエン酸水溶液の方が、低いpHを示します。

食酢を化学的に捉えると、4%程度の酢酸のほか、様々な有機酸やアミノ酸、糖類などの微量成分を含む水溶液です。一般的な穀物酢では、pHは2.7程度です。

すなわち、0.1%クエン酸水溶液は、一般的な食酢と同程度のpHを示します。

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まとめ

クエン酸は、弱酸のなかでは、比較的強い酸です。掃除によく使われる濃度の水溶液なら、pHはおよそ2程度と覚えておくと、よい目安になります。

ほかに、クエン酸の性質などをまとめた記事もあるので、ぜひご覧ください。

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補足:pH測定について

pH測定には、ラコムテスター製のポケットタイプpH計「pHTestr®30」を、測定直前にpH 6.86, 4.01, 9.18の3点で校正して使用しました。

水溶液調製で使った精製水は、品薄のため、カーバッテリー液で代用しています。

クエン酸水溶液pH測定時の写真
クエン酸水溶液pH測定時の写真

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